CUTE-I Telemetry
Analysis |
2009/06/30 Updated |
このページでは,これまでにCUTE-Iから受信したテレメトリの解析結果を紹介します. |
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◆ 放出直後データ取得 -> 2003/08/08をもって目標達成 |
分離後0.6秒後から1490秒後まで,ジャイロ,加速度センサデータなどを高速サンプリング(10Hz),温度データなどを1Hzで計測し,SRAMに記録.記録データを順次ダウンリンクし,分離後〜アンテナ・パドル展開動作時の姿勢変動を把握する.以下に示すグラフを見ると,303秒付近にアンテナ展開動作,315秒付近に太陽電池パドル展開動作が衛星本体姿勢へ影響を及ぼしていることが分かる.![]() CUTE-I座標系の定義 ![]() 展開動作時付近のジャイロデータ解析結果 ![]() 展開動作時付近のオイラーパラメータの変化 |
◆ 姿勢運動解析 -> 現在も引き続き実施中 |
現在,作成中 |
◆ HKデータ長期取得 -> 現在も引き続き実施中 |
2003.7-2003.8 1kg級超小型衛星の軌道上環境データを数ヶ月に渡って長期に観測している.以下に示すグラフは打ち上げ後,継続的に取得しているCUTE-Iの温度データ履歴である.グラフを見ると,衛星内温度は20-30度に保たれており,良好な温度環境にあることがわかる.また,7月中は徐々に上昇し,7月の終わりごろから8月にかけて,ほぼ一定値を保っている.これは,打ち上げ日から7月23日までは,地球の影内を通過することがあったが,その翌日から全日照の状態に入ったことと一致している. ![]() 打ち上げ後からのCUTE-I内部温度履歴(7/1-8/31) |
2003.7-2004.5 以下に示すグラフは打ち上げ直後の2003年7月から2004年5月までのCWテレメトリから得た温度データ履歴である.グラフを見ると,2003年8月以降,2004年5月までは温度の変化はさほどないが,2004年5月中旬を境に温度が下がり始めている.これは,CUTE-Iの軌道が,2003年8月以降全日照状態が続いていたが,2004年5月16日にてこの全日照状態は終了し,再び地球の影内を通過するようになっていることと一致している.また,グラフ中の緑の線は,太陽とCUTE-Iとの距離を考慮した上での温度変化の予測であるが,実際のテレメトリの値を見ても,この傾向とほぼ一致していることがわかる. ![]() 長期的なCUTE-I内部温度変化(2003.7-2004.5) |
2004.5-2004.7 2004年5月16日からCUTE-Iは一周回る際に地球の影内を通過するようになり,温度が下がる傾向にあったが,6月末に食の時間が最長になったのを境に温度はまた上昇し始め,7月28日に再度全日照状態に入った.以下のグラフは,2003年7月から2004年7月の約一年にわたる温度変化である.上図と同様,太陽とCUTE-Iとの距離を考慮した上での温度変化の予測と実際のテレメトリの値の傾向とほぼ一致している. ![]() 長期的なCUTE-I内部温度変化(2003.7-2004.7) |
2003.7-2005.7 以下に示すグラフは,打ち上げ直後(2003/7)から2年を迎えた2005年6月までのCWテレメトリから得られたCUTE-I内部機器(通信機,電源基板)の温度変化である.これを見ると,2年目(2004/7-2005/7)も1年目(2003/7-2004/7)と同様の軌道変化をみせることから,これに伴って温度変化も同様の傾向を示していることがわかる.ただし,打ち上げから2年が経過しており,設計寿命をすでに超えており,計測系機器の劣化も考慮する必要はある. ![]() 2年にわたるCUTE-I内部温度変化(2003.7-2005.7) |
2003.7-2009.6 (09/06/30 追加) 6年間分のCWテレメトリ(電圧・温度・発生電流データ)を以下に示す. 電圧は安定しており,バッテリーの劣化傾向は見られない.また,内部温度は地球の公転に合わせて年変化していることが確認できる.太陽電池も安定して電流を発生している. ![]() CUTE-Iバス電圧(2003.7-2009.6) ![]() CUTE-I内部温度(2003.7-2009.6) ![]() CUTE-I発生電流(2003.7-2009.6) |
◆ SRLLプロトコル実証 -> 現在も引き続き実施中 |
以下に示すグラフは誤り訂正を付加したSRLLプロトコルのデータ受信率である.アマチュア周波数帯は違法局が多く,時期によりパケット到達率(受信パケット数/送信パケット数)が大きく変動するが,0.4よりも小さいときに,SRLL利用時のデータ受信率(SRLL全取得パケット/完全取得パケット数(AX.25で取得可))が大きくなっている.このことから,SRLLが宇宙通信として機能し,かつ,AX.25よりもロバストであることを実証できた.![]() SRLLプロトコルのデータ受信率 |
◆ 軌道一周の温度変化 -> 終了 |
CUTE-Iは,センサ等の取得データをSRAMへ書き込み・読み出しすることで,ある期間のデータを連続的に取得することができる.そこで,軌道を1周回る間の温度変化を観察してみた.下の図は,2003年8月20日19時55分(UTC)からの1周回の衛星の壁面の温度変化である.これを見ると,ある周期性が見られることが分かる.![]() CUTE-I壁面番号の定義 ![]() 2003/08/20 19:55(UTC)頃の軌道一周の温度変化 |
◆ 太陽センサ動作実験 -> 終了 |
CUTE-Iには,CMOSカメラを利用した太陽センサを搭載し,軌道上実証を試みた.このセンサシステムでは,カメラが撮影した画像を処理し,映った太陽(もっとも明るい点)の位置と,設定したしきい値を超えた明るい点の個数を出力するといった作業を衛星側ですべて実施する.一方でそのときの太陽セル出力から求める太陽方向と比較して,本当に太陽なのかどうかを判断し,これが太陽だとわかると,別の解析から,CUTE-Iのそのときの絶対姿勢を割り出すことができる. |
◆ モータ回転動作実験 -> 終了 |
CUTE-Iには太陽電池パドル展開用のDCモータを搭載している.パドル展開後も,地上からのコマンドにより任意に回転させることができることから,これを利用した姿勢変動観察ミッションを試みた. |