CUTE放出機構の構造
 CUTE-Iは初期の計画ではCalPolyが開発するP-PODと呼ばれる放出機構から軌道投入される予定だったため, P-POD用のインターフェイスを持っている(4本の柱). CUTEの形状が決定しているため,独自開発する放出機構もこの4本の柱を利用している.
以下に東工大放出機構の特徴を示す.

火工品を用いれないためバネを使った機構を開発した
CUTEの柱が納まるようにP-PODと同形状のガイドを設計したが,摩擦によりガイドから放出されない 可能性があるため,ガイドの高さを30mmとした
重量削減及び振動減衰のために部分的にMg合金を使用した
CUTEの柱に溝を加工し,そこにラッチ部品をひっかけることで衛星を固定する
衛星を押し出すために押しバネ,ラッチを外すためにねじりバネを使用している
ラッチの固定はナイロン線とニクロムヒーターを用いた機構を採用
ナイロン線には伸びがほとんどないダイニーマの線径10号を使用


機構概観
        
  


バネ機構
 以下の画像にあるように,衛星が納まるガイド部に4つの押しバネがあり,ラッチが外れると 衛星がガイドから押し出され放出される.ラッチにはねじりバネを使用し,ナイロン線で引っ張ることによって 柱の溝にはまり固定される.ナイロン線がニクロムヒーターで焼き切れるとバネの力によってラッチが回転し外れる.



Mg合金の採用
 CUTE放出機構ではCUTE本体と同様,Mg合金(AZ91)を利用している.
Mg合金を使用した部品はガイド部とラッチを支える部品,合計5点である. これによって重量削減とともに衛星にかかる振動負荷を多少緩和しようという狙いがある.
 また,放出機構のガイド部はEMではガイドと脚に分れていたが,FMでは強度を増すために 一体型で加工した.(加工by松下電器産業株式会社)


 ガイド部であるが衛星とのインターフェイス部の摩擦が非常に重要になってくるため (摩擦が大きいと衛星がひっかかって放出されない), 表面を研磨すると共に特殊コーティングを施した.(加工by株式会社カサタニ)これによりアルミと同等の面精度を得ることができた.



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