展開機構設計
 展開ミッションでは太陽電池パドルの展開を行うが,ミッションとは別に軌道投入された直後に通信アンテナを展開しなくてはならいない. 重量・スペース・電力等の問題からパドル展開にはDCモータを用い,アンテナ展開はより信頼性を高めるためにニクロムヒータを用いた機構 を採用した.
設計方針として,

 (1)アンテナ展開の信頼性をより高める
 (2)パドルの展開は簡易的なものにすると共に,衛星に姿勢変動を与えられるような
       応用ミッションを行うためにDCモーターを用いる
 (3)アンテナ展開およびパドル展開は軌道投入直後に行う

 前述したようにアンテナ・パドル展開するために2つのアクチュエータを用いていたのでは問題が生じるので DCモータを1つ用いて設計することにした.しかし,アクチュエータ1つで2つの展開を行うということは信頼性・安全性 の面から見て良いとは言えず,もしこのアクチュエータ部分が故障した場合にはパドル・アンテナの展開が両方とも行われず, 特にアンテナの展開が失敗するということは全てのミッションが始められないことを意味する.
 そこで,よりアンテナの展開を確実にするためにアクチュエータを用いるのではなく,アンテナをナイロンテグスで固定し, それをニクロム線で焼き切る方法を採用した.太陽電池パドルの展開にはDCモータによってストッパーを外し受動的に展開させる 方法を採用.アンテナの展開はアンテナ自体の弾性,またパドルの展開はバネの弾性力を用いることにより受動的に展開させる.

 東工大CubeSatでは通信アンテナは側面の取り付けられた円柱状のアンテナ収納部に巻きつけられ ており,ロケットからの放出を検知した後,OBCの指令によって展開される.同時に太陽電池パドルも展開し バッテリへの負荷が最小になるように努める

アンテナ展開機構

 アンテナ展開機構について以下に示す

通信アンテナの先端に結び付けられたナイロンテグスを図のように巻きつけ固定する.ニクロム線は電流血が1.0Aを超えない 長さの調節し螺旋状に巻き,その中にナイロンテグスを通して固定する
ニクロム線に電圧をかけることによって,ニクロム線が発熱する
ナイロンテグスが焼き切れ,アンテナの弾性によって展開される





太陽電池パドル展開機構

 太陽電池パドル展開機構について以下に示す

 まず,機構部であるが以下の図に示すよにDCモーター,ギア,ストッパーにより構成されている.ギアには民生品を 用いており,潤滑のために二硫化モリブデンでコーティングすることを考えている.こん後の熱真空試験,振動試験等で 摩擦による問題が生じれば材質もテフロンにすることも考えている.



太陽電池パドルの展開手順について以下に示す.

 (1)CUTEが放出された後に,OBCの指令によってモータを回転させる
 (2)ギアが回転することによってパドルのストッパーが外れる
 (3)バネの弾性力によって受動的にパドルが展開される
 (4)パドル表面の太陽電池セル出力を見ることによって展開の成功を確かめる






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