概要
通信系は衛星と地上局間のデータの送受信を担うサブシステムです。 本衛星ではS帯周波数帯を用いてテレメトリデータのダウンリンク、コマンドのアップリンクを行います。
さらにサブミッションとして速報通信系の実証を行います。ガンマ線バーストなどの突発天体観測においては 軌道上で発見した天体情報を即座に地上に知らせたいという要求があります。 そこで高度約1400kmの衛星コンステレーションであるGlobalstarの通信ネットワークを利用して、速報通信を実現しようと考えています。 本衛星ではその事前実証として、突発天体座標を模擬したダミーデータを不可視時間に地上へダウンリンクすることをサブミッションとしています。

通信妥当性検証
ひばりはミッションである可変形状姿勢制御の実証のために積極的に太陽電池パドルを駆動させます。 そのため、通信アンテナの遮蔽環境が軌道上で大きく変化することが考えられます。 そこで、いずれの衛星形状でも通信回線が十分に成り立つことをアンテナパターン測定試験とシミュレーションによって確認しました。
まず、パドルや太陽電池セルなどを模擬した供試体の構体と、通信アンテナを用いてアンテナパターン測定試験を実施しました。 東工大電気電子系廣川研究室のご協力のもと、東工大の電波暗室にて実施しました。 パドルの位置を変えて様々な衛星形状でアンテナのゲイン測定を行い、得られたアンテナパターンデータを、 姿勢・軌道シュミレータと組み合わせることで、実際に軌道上でどの程度通信が行えるかを見積もりました。 その結果、アンテナの遮蔽環境が悪い衛星形状においても通信が成立することを確認しました。
