RESEARCH
過去の研究
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Control Moment Gyro
コントロールモーメントジャイロ
 人工衛星の姿勢変更則の研究が効率的な軌道上運用を実現するために非常に注目されている。
 しかし、従来姿勢変更に使用されているリアクションホイールやモーメンタムホイールでは発生できるトルクが小さいため、 短時間での効率よいミッションを実現するには、限界に来ているという問題がある。 そこで近年、新しい姿勢制御アクチュエータとして、CMG(コントロール・モーメント・ジャイロ)が注目されている。 CMGとは定速回転するホイールを、支持しているジンバルを回転させてジャイロ効果によるトルクを出力するアクチュエータである。 従来のリアクションホイールに比べて、数倍〜数十倍のトルクを発生できるという特長がありISSやミール、スカイラブなど大型宇宙構造物に採用されてきた実績もある。
 CMGはその大きなトルクや早い応答特性を要求する人工衛星や大型構造物に適していると考えられてきたが、近年、電子機器デバイスの小型化、 高機能化、小型衛星への高速姿勢制御への高機能要請にしたがってCMGの小型化が促進され、小型衛星への適用に向かって研究開発が行われるようになってきている。 松永研究室では実際に小型人工衛星に搭載することを目的とした最適制御理論を用いたCMG制御則の研究や実際に小型CMG実機の開発を行った。
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Morphable Beam Device
モーファブルビームデバイス
 ロボットアームを用いたカメラ点検システムを構築する際、既存のロボットアームでカメラ点検システムを構築しようとすると、 人工衛星全体の重量や体積に対して、カメラ点検システムが占める重量や体積が大きくなってしまい、人工衛星へバスシステムとして搭載することは難しくなってしまう。
 松永研究室では人工衛星へ搭載可能なカメラを用いた点検システム、Morphable Beam Device(MBD)を提案した。 MBDは従来のロボットアームとは違い、アーム自身に関節などのアクチュエータを搭載せず、柔軟性・形状保持性を持つビームをアームとして用いている。 そのビームを任意の形状に成形することで、手先を自由に移動させ、手先に搭載してあるカメラで任意の場所を検査・モニタすることが可能である。
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Solar Sail
ソーラーセイル
 ソーラーセイルとは,宇宙空間において巨大な薄膜を展開し, その膜で太陽光を反射することにより得られる光圧による運動量の変化を推力に利用する1919年にK. E. Tsiolkovskiyらにより提唱された宇宙航行システムである.
 このソーラーセイルは他の宇宙航行システムとは異なり,推進剤を必要としない. このため,宇宙機の質量比が要求される増速量に制限されない. さらに,光を受け続ける限り加速することが可能であるため,惑星間航行のような遠距離の宇宙航行システムの1つとして注目されている.
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Minorbody Sample Return
小天体サンプルリターン
 近年、小惑星や彗星核などの未分化天体に探査機を送り、試料を地球上へと持ち帰る小天体サンプルリターンミッションが注目を集めており、 未知の項目が多い小天体表層の構造に対して広く適応性のある試料採集方法の検討が必要とされている。
 松永研究室では、JAXA/ISASと共同で、この将来ミッションのための試料採集方法としてテザーサンプリング方式を提案した。 この方式ではテザー(紐)の付いたコアラー(試料採集装置)を小天体表面に撃ち込み、テザーを巻き取り回収することによりコアラーおよびコアラー内部の試料を探査機内部へ回収する。
博士論文一覧
List of Doctoral Theses