近年、世界中で学生主導の超小型衛星の研究開発が活発に行われており、今後多くの衛星が宇宙へ打ち上げられることが予想されます。このような状況の中では、ミッションを終えたこれらの衛星がそのまま宇宙へ留まることで、宇宙ゴミ(デブリ)が急激に増加してしまうことが懸念されています。超小型衛星の非デブリ化の一つの方法として、導電性テザーを用いて衛星を軌道離脱させるものがあります。軌道を離脱した衛星は、地球に再突入をして燃え尽きるのです。テザー伸展系では、将来の非デブリ化を目的とした衛星軌道離脱のための超小型テザー伸展機構の開発をしています。
テザー伸展機構は分離プレートと内部プレートにより構成されています。内部プレートは衛星本体に固定されており、ナイロン線を通して分離プレートを保持しています。テザーの末端は分離プレートと内部プレートに取り付けられ、ばねにより押出された分離プレートによって引っ張り出されます。
テザー伸展機構の構成 (click to enlarge)