トップページ SRLL TNC
SRLLは,東京工業大学・無線研究部で開発された独自の通信プロトコルです.詳細についてはSRLLについてのページで解説しておりますので,ご覧ください.
SRLLは,誤り訂正機能を持つなど,誤り率が高い衛星との無線通信に最適化された通信プロトコルですが,アマチュア無線において広く用いられているAX.25とはプロトコルが異なるため,一般に販売されているTNCでデコードすることができません.
東工大管制局では,Cute-1.7 + APD IIに用いられている通信系と同等の構成の回路を用いることで,SRLL用のTNCとしています(下写真).
東工大局使用SRLL TNC(設計:東工大地上局(JQ1YCZ)芦田宏樹,尾曲邦之)
ただ,これは表面実装のH8S/2328を使用するなど,プリント基板を前提とした設計になっており,加えて多機能なためプログラムも複雑です.
そこで,このページではこのうち,SRLL専用のTNCとして,最も基本的な機能だけを取り出した,より簡単なTNCを製作する方法をご紹介します.
ここではまず,秋月電子通商のAKI-H8/3048Fマイコンボードを使用します.これなら,厄介なH8マイコンのハンダ付けが不要です.
アセンブラやソフト一式が付いた開発キットが1代7,800円,完成品のボード+マザーボード(LCDモジュールなし)で5,500円で販売されています.(2008年06月30日現在)
書き込み用ソフトウェアなども付属しておりますし,初めての方は前者をご購入されることをお勧めします.
TNCの詳細につきましては,CUTE-Iのトップページから"SRLLプロトコルの解説ページ"に記載されているとおりです.
まず,FSKの復調に必要なBell202に準拠したモデムチップですが,東工大局ではFX614を用いています.
その他にも複数のモデムチップがあり,JH1TVN 渕山 様の"SRLL資料室"にて分かりやすい比較をされていらっしゃいます.
MPUにはAKI-H8/3048Fキットを用いています.入手しやすく,ハンダ付けも容易なためです.
H8まわりのハンダ付けについては,CUTE-IのSRLL解説ページをご覧ください.
AFSK受信のみ(SRLL 1.0非対応)
これが最も基本となる形態です.AFSK SRLL 2.0の受信のみを行いたい方は,このプログラムを書き込んでください.
ただし,AFSKの送信,GMSKの送受信,CUTE-Iで用いられているSRLL 1.0には対応しておりません.
今後,これに機能を付加したバージョンを順次公開してゆく予定です.
今後のリリースプラン
(現在開発中)AFSK送受信のみ(SRLL 1.0非対応)
(開発予定)AFSK送受信+GMSK受信(SRLL 1.0非対応)
and more...
H8に上記のプログラムを書き込む際には,秋月のキットに付属しているライタソフト,"H8 Write Turbo"を使用します.
まだ原因は不明ですが,ルネサスが頒布しているF-ZTATでは書き込めなかったというご報告も頂いておりますので,秋月のキットを購入する際には,開発ソフトが同梱されたものをご購入いただくのが良いと思います.
シリアルのボーレートは19,200bpsです(前TNCよりも高速化しました).
RXIN(FX614の5番ピン)に無線機からの出力を取り込みます.
AFSK SRLL 2.0のサンプルサウンドを用意いたしました.
AFSK SRLL 2.0 Sample Sound(32Bytes)
AFSK SRLL 2.0 Sample Sound(64Bytes)
AFSK SRLL 2.0 Sample Sound(96Bytes)
AFSKは,オーディオ出力をそのままRx INに取り込むことが可能です.
最後となりますが,これまでにSRLL 2.0の受信に成功された方々をお知らせします.受信報告ありがとうございます.
[1] | JH1BCL | 関根 様 | [11] | JA3TDW | 浅井 様 |
[2] | JA1GDE | 花清 様 | [12] | JE1HVH | 松田 様 |
[3] | JA0CAW | 佐藤 様 | [13] | JA5BLZ | 野口 様 |
[4] | JA6PL | 井地 様 | [14] | JO1PTD | 河野 様 |
[5] | JH4DHX/5 | 大谷 様 | |||
[6] | JE9PEL/1 | 脇田 様 | |||
[7] | JE1CVL | 久下 様 | |||
[8] | JH0JMA | 岩下 様 | |||
[9] | JI1IZR | 眞田 様 | |||
[10] | JH4XSY/1 | 岩本 様 |
新たにSRLL 2.0の受信環境を構築された方は,ぜひ受信報告にご協力下さい.SRLLをどうぞよろしくお願い致します.
なにかご質問がございましたら,cute1.7_question [at] lss.mes.titech.ac.jpまでお気軽にお問い合わせください!