Command and Data Handling(C&DH)系は衛星のメインコンピュータから成り、2つの役割を担っています.一つは他のサブシステムにコマンドを送ることです.地上からのアップリンクや衛星に搭載したコンピュータの計算結果を受けて,各サブシステムがどう動けば良いかという指令をC&DH系から発します.他には衛星内のデータを収集し配付する役割があります.ハウスキーピングデータやミッションデータ等の衛星内のデータを集めて保存し,ダウンリンクするために通信系に送ったり,各サブシステムへのコマンド生成に利用したりします.また、他にも衛星内の時間の管理や異常の検知なども行っています.
			
				Cute-1.7 + APDのC&DH系はメインコンピュータであるPDAと,PDAのインターフェイスを拡張するDAQ(Data AcQuisition)及びUSBHub,2台あるPDAを切り替えるためのPDASwitchで構成されています.安価で高性能な民生品のPDAですが,各サブシステムと接続するためのインターフェイスはUSBが1ポートのみです.そこで,USBポートをUSBHubで拡張し,その下に各サブシステムが接続できるようにしてあります.また,USBではセンサからのアナログデータや,コマンド送信のためのビット単位のデジタルデータ等を扱うことが難しいため,DAQを製作し,PDAからUSB経由でそれらのデータを扱えるようにしてあります.地上で利用するために製造されたPDAは,宇宙環境での動作は保証しません.そこで,放射線耐性や動作温度範囲や真空中での動作等を確かめた上で,Cute-1.7 + APDでは2台のPDAを切り替えながら使用するように構成しています.通信系H8がPDAの異常を検知した場合には通信系H8の指令でもう一方のPDAに切り替えます.
				
				C&DH System Block Diagram
				
				Profile of Handling Data
			
PDAの仕様を以下に示します.
| Specification of PDA | ||
| CPU | ARMV4I 400MHz | |
| OS | Microsoft Windows CE.NET | |
| RAM | 32Mbyte | |
| Flash Memory | SD Card 128Mbyte | |
| Interfaces | USB,MMC/SD Card slot | |
| Dimensions | 70(W) x 100(H) x 5(D)mm | |
| Weight | **g | |
				
				PDA Board
			
				冗長構成で2台搭載されているPDAへの電源供給の切り替え,USBの接続先の切り替えを担うのがPDAスイッチです.
				地上からのコマンドに応じて,通信系がPDAの切り替えを行います.
				これにより,万が一軌道上で一方のPDAに異常が発生したとしても,他方のPDAに切り替えて運用を行うことができます.
			
				PDAと接続されるUSB機器は5つあり,PDAに一つしかないUSBポートでは間に合いません.
				そこで,Texas Instruments社製のUSBハブ素子TUSB2077Aを用いることで,この問題を解消しています.
				これは皆さんがUSBのキーボード,マウスやmp3プレイヤーをPCに接続するために,市販のUSBハブを使っていることと同じことです.
			
				Dallas社の1-WireデバイスDS18B20を使用しています.
			
NMRC(National Microelectronics Research Centre)製のRADFETを使用しています.
積算線量計回路構成