分離機構システムは,PSLVの厳しい打ち上げ環境において超小型衛星Cute-1.7 + APD II を保持し,ロケットからの分離許可タイマ信号を受け,保持していた衛星を分離し軌道に投入することを目的としています.
分離機構は,基本的にCute-1.7 + APD 1号機から変更していません.構造は,マグネシウム部材とアルミ部材を使用しています.
衛星四隅の支柱から伸ばした足を把持爪で掴むことで,衛星保持状態となる.把持爪はダイニーマ線で固縛している.このダイニーマ線を電熱線ヒータで溶断することで,把持爪が解放され,衛星が分離される.
松永研究室では,この把持爪を用いた分離方式をCUTE-I,TSD,Cute-1.7 + APDの打ち上げにも採用してきました.全ての分離実験は成功しており,本方式の実績・信頼性は十分にあると言えます.